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ブンセキ的思考で行こう Vol.6 (最終回)  データストラテジスト太古益樹によるADEXの “ブンセキ” 考



今回の「ブンセキ的思考で行こう」の第6回目は、今までの連載のまとめとしてお話しをしていきます。

 

ブンセキ業務に潜む「カンペキ」の壁


私はブンセキ業務を初めて今年で10年を迎えます。最近、気になっているのは、ブンセキに「カンペキ」を求めすぎて時間がかかってしまい、クライアントへのフィードバックのタイミングが遅れてしまうことです。


このようにならないためにはどうすれば良いのでしょうか。


数値を使って広告効果検証を続けていると、ついつい「カンペキ」な回答を出さないといけないという錯覚に陥ってしまいます。そうなるとブンセキ業務と該当するプロジェクトの進行とのスピード感の相違が出てきてしまいます。


広告効果検証におけるカンペキな回答とはいったい何でしょうか?私の敬愛する尾崎隆氏はブンセキ業務をこのように述べています。


データ分析という営みの宿命として「誰にも『本当のゴール』がどこにあるかは最初のうちは分からない。だから、「よりマシ」で「より役に立つ」解(≒最適解)を求めて試行錯誤を繰り返す。そのために探索と手戻りを素早く行う。


私のブンセキ業務も尾崎氏と同じく、「今わかること」をクライアントに素早く提示して話し合い、ブンセキの手法に改善を加えてそれを繰り返し、制限時間が一杯のところで出た解(≒最適解)を示してゆきます。


ブンセキ業務は難易度の高い手法が優れているわけではないとご理解下さい。一気にゴールが見えてくるのではなく、いままでブンセキ的思考で述べてきた視点で数値(広告反応量・サイト上のKPI・申込数・POS売上等)を見てください。


この連載「ブンセキ的思考で行こう」で私が述べたかったのは、カンペキな結論に至らないまでも「今、言えることは何か」を見つけて、社内チームのメンバーやクライアントとしっかりと話し合い、不明な点をクリアにしてゆくことで「本当のゴール」に近づくということです。


ブンセキ結果+解決策はセットで説明する。

その際に話す相手に合わせて分かり易く伝えることが重要です。

次に、最適解が出たと仮定して、どのように伝えるかについて。伝え方は大きく2つの方向があります。


①相手が理解できるように丁寧に説明する。

②相手に理解できるブンセキ手法(相手のレベルに合った説明)を選択する。


私は②で説明するよう心がけています。どちらもブンセキ業務としては同じことを行います。しかし、難易度の高いブンセキ手法をどれだけ丁寧に説明しても限界があることも確かです。難易度が高ければ、広告会社の提案まで議論が行かないこともあるでしょう。よって、ブンセキ結果を説明するには、交渉力のある説明の仕方を選択するということが重要です。



今回で「ブンセキ的思考で行こう」の連載は終了です。

ブンセキという業務に抱くモヤモヤした気分が少しでも晴れてくれれば良いのですが…。


第1回から今回の第6回までの内容で、ご質問やご意見を頂ければ幸いです。お気軽に連絡ください。ありがとうございました。


 

ブンセキ的思考で行こう Vol.1 はこちらから

ブンセキ的思考で行こう Vol.2 はこちらから

ブンセキ的思考で行こう Vol.3 はこちらから

ブンセキ的思考で行こう Vol.4 はこちらから

ブンセキ的思考で行こう Vol.5 はこちらから



著者プロフィール

 太古益樹(タイコ マスキ)

 IMCプランニング局データストラテジスト




大阪府立大学経済学研究科修了修士(経営学)

2015年にデータ分析チーム立上げに参加。

テレビ視聴・オンライン行動ログデータや 購買データ等から広告効果の検証に従事。



 

ADEXでは、IMC(統合型マーケティング・コミュニケーション)領域において、さまざまな独自のソリューションをご用意しています。クライアント様の“もやもや”を解消し、ストラテジックプランニングの最適解をご提供しています。


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