
機密文書回収ボックス「保護(まもる)くん」の初の広告出稿に踏み切った日本パープルが、数ある広告会社の中から日本経済広告社(ADEX)をパートナーに選んだ理由とは。情報セキュリティ業界で確固たる地位を築いてきた同社が、これまでの無広告方針を転換するきっかけや、ADEXチームとの取り組みで得た気づき、そして初出稿による社内外への変化とは。両社の対談から、BtoB企業の広告出稿におけるヒントが見えてきました。
《前編》 本篇は本ページ
① ディフェンシブ経営から攻めへ転じるきっかけ
② 「機密文書は投げるだけ」という新たな価値
③ 市場調査によるデータで導かれた「数字の裏付け」
《後編》 (後編はこちら)
④ コンセプトを明確に表現したクリエーティブ
⑤ 現れた結果、昨対比2倍のコンバージョン
⑥ 振り返りと今後の広告展開

株式会社日本パープル
情報セキュリティーカンパニー
代表 後藤 宗輝 氏 | ゼネラルマネージャー 大井 和也 氏

ADEX日本経済広告社
第6営業局 橋本 剛司 | 山城 賢一
IMCプランニング1局 小暮 重範 | 松井 武郎

保護(まもる)くんとは
「保護くん」は、シュレッダーに関するあらゆる課題を解決する機密文書回収・処理サービスです。機密文書をホッチキスやクリップが付いたまま専用の「保護くんボックス」に「投げるだけ」。面倒な分別作業やシュレッダー機のメンテナンスから一切解放されます。
回収された文書は、情報セキュリティ体制の国際規格であるISO27001認証を取得した同社のファイナルセンターにて、大型シュレッダーで復元不可能なレベルまで細断処理され、その後は製紙メーカーでリサイクル資源として再利用されます。
お客様には処理完了後に「機密抹消処理証明書」を発行し、確実な処理を証明いたします。これにより、企業は情報漏洩リスクを大幅に低減し、コンプライアンス強化にも貢献します。
① ディフェンシブ経営から攻めへ転じるきっかけ
― 今回、「保護(まもる)くん」というサービスで初めて本格的な広告施策に踏み切った背景には、どんな思いがあったのでしょうか?
後藤:
オフィス機器ってそもそもマイナーなんですけど、とくにこの機密文書回収ボックスというサービスは本当に知られてなかったと、私はずっと感じていました。
そんな中で外部メンターを交えたディスカッションのときに、御社は成長に対し自らキャップをはめていると指摘を受けまして。ずっと過去の確かなデータをベースに考えていたので、頭を殴られたような衝撃でした。もっと大胆に打ち出していけるのではと考えたんです。
大井:
保護くんの大胆な施策は、リモートワークが増えるし、紙は今後も減っていくので、会社では反対の意見も出ていたんですよね。

後藤:
そう。でも、私は違いました。シュリンクしつつある市場だからこそ、新規参入が少なく残存者利益で勝てると思ったんですよ。逆張りが好きなので(笑)、シュレッダーからリプレイスできれば、まだまだ成長すると。
後藤:
我々はディフェンシブな経営をしていたんだと思います。でも100億円規模の企業を目指そうとしたとき、もっと攻めないといけないと感じました。実際に保護くんを使った人から「二度とシュレッダーに戻りたくない」っていう声があったんです。だからこそ一回チャレンジしたい、一度この可能性に賭けてみようと。

― なるほど。商品への期待が背中を後押ししたわけですね。
大井:
ええ。私たちが考える商品の魅力を形にすること。それが実現できるなら、やってみる価値はあると思いました。
② 「機密文書は投げるだけ」という新たな価値
― そんな中で、ADEXが良かった理由はなんだったのでしょう?
後藤:
最初の提案で、各社いろんな提案を出してくれたんですが…実はADEXは他社よりも一回提案が多いんです。そしてとにかく“早かった”んです。初回のヒアリングからすぐに、BtoB企業の市場調査とターゲットの仮説がセットになった資料を出してくれて。しかも、読んで納得できる内容でした。
橋本:
今回の案件は、実はかなり早い段階で「これは世の中に出すべきサービスだ」と直感したんです。一度使えばその魅力が伝わる、オンリーワンでナンバーワンの商品だと感じたんです。それでプランナーである小暮と松井に声をかけて、BtoB企業がどんな手法で広告をしているか情報をかき集めて、速攻で仮説を固めていきました。
山城:
私も、商品が素晴らしいことはすぐに分かりました、だから知られさえすれば売れると思ったんです。でも自分たちの思い込みではないということもしっかりと客観的に見る必要がありました。

小暮:
すぐに調査を始めてデータをまとめました。そして仮説通りの答えが見えてきました。アンケート調査の結果、75%の人が保護くんを試してみたいという声があったんです。
山城:
残りの25%は機密性を危惧していたようですが、それは保護くんのことをしっかり知れば解決できる問題でした。であれば、ほぼ100%の人をスイッチできると確信しました。
松井:
調査では他にも見えてきたことがありました。それは本当に多くの人がシュレッダーに膨大な時間を取られていたことです。でもなかなか、その問題と商品価値をブリッジするピッタリの言葉が出てこなかったんです…
山城:
ここはチームで何度も議論したところでしたね。
橋本:
でも悩んでいるときに、ふとつぶやいた言葉がきっかけで一気に道が開けました。
小暮:
その言葉が「機密文書は、投げるだけ」。機密文書という最も丁寧に処理しなくてはならないものを、投げるだけという動作で新たな価値観を示したんです。

― その言葉を初めてお聞きしたときがいかがでしたか?
後藤:
正直、爆笑しましたよ。その言葉を初めて見たときは(笑)
大井:
大笑いしていらっしゃいましたね(笑)
後藤:
でも、言いたかったのはまさにそれだった。機密文書は丁寧に処理しなくてはいけないという常識があった中、それを打ち破る一言です。まさに私たちのサービスを一言に要約したような感覚でした。
③ 市場調査によるデータで導かれた「数字の裏付け」
― 先ほどお話にあった市場データに関して詳しくお聞きさせていただけますか?
松井:
はい。まずは“誰が処理しているのか”“何分かかっているのか”という定量データを確認しました。企業によっては、年間数百時間分がシュレッダー作業に使われているケースもありました。

小暮:
それだけ時間をかけているのに、「その時間がムダだ」とは誰も言えなかった。なぜなら機密文書の処理はシュレッダーを使う、それが常識だったから。でも私たちはそこにメスを入れたかったんです。
橋本:
企業のコスト意識って「トナー代」や「紙代」には細かいのに、社員がシュレッダーに割いている“時間”には無頓着だったりする。でもこの「時間の可視化」が、提案の根拠になりました。
― データがあるからこそ、コピーに納得感が生まれたんですね。
大井:
きちんと市場データを調べて、数字で証明する。このプロセスを踏んだ企業はお声がけした各社の中でADEXさんだけでしたね。
松井:
きっとこうだろう、という仮説はありました。でもそれが思い込みとならないように、きちんとデータに起こすことで、より良い提案ができたんです。

― 冒頭のお話ではADEXは一回提案が多かったと話しにありました。こちらは市場調査の提案が多かったのでしょうか?
橋本:
市場調査だけではなく、その前にそもそもBtoB企業の広告費と認知度の関係性をご理解いただけるよう努めました。
― 広告費と認知度の相関関係をお伝えするということでしょうか?
橋本:
はい。一般的には広告プランを松竹梅で出してほしいと依頼されることが多いですが、単純な3プランで明確な効果の違いを理解することは難しいんです。特に広告に慣れていない企業様であれば尚更でしょう。そのために我々は一社ずつ名前を出しながら、知っているか知らないかというクイズを出しました。
山城:
例えば、とある企業の名前を出したときに5人中何人が知っているか。もし3人が知っているとすれば、認知度が60%です。その次にその認知度に達するために企業がいくら広告費をかけているか、具体的な数字でお伝えしました。
松井:
様々なBtoB企業の名前を挙げながら、質問を繰り返していくことで、各企業の広告費と、その企業を「知っている/知らない」という肌感覚を結びつけて把握することができます。感覚を伴わないデータは、単なる数字の羅列に過ぎませんから。その結果、具体的な広告投下量の目標数値を設定することができました。
後藤:
何社も問いかけられて答え、そして数字として根拠を出してもらえたからこそ、様々なBtoB企業が掛けた広告費と時間、そして結果としての認知度が「肌感」で分かりました。我々としても広告費の目安を知ることができ、短期、中期、長期としてのゴールを見据えることができたんです。
《後編》はこちら
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