
創立50周年を迎えたNECソリューションイノベータ様は、社内の意識を統一し次の50年へ向かうためのインナーブランディングを実施。パートナーに選定されたADEX日本経済広告社は、スローガン開発に加え、そのメッセージを1万2千人の社員に浸透させる実行案まで含めたトータル提案を行いました。

「技術で超えろ。」──カルチャー変革のための言葉
創立50周年の節目に、明快で魅力的なカルチャーをつくりたい。そんなご相談を受けてADEXがまず考えたのは、経営層から現場までの全社員が納得できる言葉づくりです。そのために、石井力社長(2025年1月時点。現会長。)を筆頭に経営層の方々への個別インタビューと、現場で活躍する社員の皆さまが参加するワークショップを実施しました。
経営層インタビューから見えた、「自分たちの技術に自信を持ち、主体的な姿勢で行動してほしい」という想い。そして社員ワークショップから見えた、「技術力を活かしてもっと挑戦したい、自分たちで変革を起こしたい」という熱意。生の声を集めるなかで、経営層と現場が同じ志を持っていることがわかりました。
「これまでのNECソリューションイノベータらしさを肯定しながら、それを土台とする新たな“らしさ”を付与していく。それが、みんなに自信と納得をもたらすアプローチだと考えました。」(荒木)
ADEXからの初期提案では『あなたの技術を、待っている人がいる。』というコピーをメインとして提示。このコピーはご評価を頂いたものの、より背中を押し、鼓舞するものとして『技術で超えろ。』をメインに据える表現にたどり着きました。あなたの技術を、待っている人がいる。だから技術で超えろ。そんな構造のキーメッセージとボディコピーを、NECソリューションイノベータの皆さんと一緒につくりあげていったのです。
注:本記事サムネイルの画像がキービジュアル。
またこのキーメッセージは、スピード感のある映像とエモーショナルな音楽でムービー化し、2025年4月のキックオフミーティングで全社員に向けて公開しました。

「新しいメッセージのデビューなので、届け方には工夫がいると思いました。どうすれば社員の皆さまに受け止めていただけるか。どうすればモチベーションが上がる良いものになるか。チーム全員で議論を重ねました。」(小金澤)
結果として、イベントの参加者アンケートでは「ムービーに心が躍った」「50周年のキャッチコピーのムービーがとても力強くわかりやすく、良かった」など数々の前向きなコメントをいただきました。
全体を貫くキーメッセージが発表されたあと、このメッセージを社内へ広く・深く浸透させていくための様々な施策が展開していきます。
言葉を“体験”に変える──浸透の設計と施策群
「インナーブランディングにおいて大切なのは、社員が自ら関わり、関係者の一員になってもらうこと。それがメッセージの浸透につながると思っています。」(荒木)
生み出した言葉を浸透させるとき、押し付けるのではなく、自然と触れ、自分に重ね合わせられる体験設計が重要だとADEXチームは考えました。そこで「現在地の共有→未来の想像」という二段構えで、複数の施策を実施していきます。
施策① 『っぽいとこ百科』


まず取り組んだのは、社内の“あるある”を「NECソリューションイノベータっぽいとこ」と称し、ネタを募集して社内限定の特設サイトで紹介する「っぽいとこ百科」です。
募集したあるあるに対するいいねボタンを設置し、社員からの投票を募りました。票を多数獲得した人気のネタは、「ネッスー」というオリジナルキャラクターでイラスト化し、特設サイトで公開。当初イントラ掲載のみを想定したPDF制作でしたが、ご好評を頂き社内配布用の冊子として印刷を行うまでに発展しました。これは2025年9月9日の50周年イベントで配布され、多くの社員の手に渡ることに。自由な社風や技術者特有のエピソードなど、今まで可視化されていなかった独自のカルチャーが、多くの共感を呼ぶコンテンツとして具現化しました。
「NECソリューションイノベータの文化や性格を、みんなで確かめあうことから始めたわけです。自分たちへの肯定的な感情とともに、現在地を知ることがねらいです。」(荒木)
「全部署の半数以上が参加する人気企画になったと伺っています。社員の皆さまがこれほどまでに積極的になってくださった事実が、社内浸透の始まりを表していると感じています。」(小金澤)
加えて社内のカフェスタンドでは、紙コップのスリーブを浸透メディアとして活用。“百科”のあるあるイラストが、コーヒーを飲む休憩中にもふと目に入るようなしかけです。必ずしも社員に能動的なアクションを求める必要はなく、社内の日常に自然と入り込む設計にすることも、浸透のひとつの手法です。
施策② 『コエラジ!』

さらに日常での接点を作るため、NECソリューションイノベータのWebラジオ「コエラジ!」を制作。スキマ時間に聴ける音声コンテンツにより、日々忙しい社員の皆さまが気軽に触れられることを目指しています。番組のパーソナリティとゲストは両者とも、NECソリューションイノベータの社員様。記念すべき第1回は、岩井孝夫社長にもご出演いただきました。
「外部メディアを活用することも検討しましたが、表に出せない話ほど面白い・・・ということで、社内限定の濃密なラジオにしました。」(小金澤)
それが功を奏し、イントラ限定配信ならではのリアルなトークが繰り広げられ、新たなカルチャーをより真に迫って体感していただくことに寄与しました。「技術で超えろ。」を軸としたエピソードをお届けするボイスコンテンツとして、全6回の配信となっています。
施策③ 『SF未来創造ワーク』

そして、NECソリューションイノベータのこれからの50年を考える「SF未来創造ワーク」です。SF戦略コンサルタントの宮本道人氏を講師としてお招きし、約30名の社員様が5つのグループに分かれ、SFプロトタイピングの手法を使ったワークショップを実施しました。活発な議論から生まれたアイデアや造語は、講師の宮本氏と、NECソリューションイノベータの社員であり小説家でもある田中伸幸氏によって、それぞれ小説化をしていただきました。
『村役場と村長のはなし』 作者:宮本道人 イラスト:ハミ山クリニカ [小説を読む]
『失敗の失敗は成功?』 作者:田中伸幸 イラスト:ハミ山クリニカ [小説を読む]
ワークショップだけでは、深い議論はできても拡散は限定的です。だからこそ物語という形式にすることで、構想段階の技術やサービスが“語れる資産”となり多くの方へ広がっていきました。研究と創作という異なる強みを掛け合わせることで、ワークショップで生まれた構想をただのアイデアで終わらせず、より具体的な未来像として描くことができます。
ワークショップの模様はNECソリューションイノベータ様のコーポレートブログで公開されています。
[ワークショップの様子]

インナーブランディングのこれから──周年を“超えた”先とは。
社内の声を丁寧に吸い上げ、全員が心を寄せるメッセージとして言語化。それを全社員に浸透させるための、継続的な施策設計。すべては、次の50年を歩むための新しいカルチャーをつくるためのものです。
あるあるコンテンツがたしかな盛り上がりを見せたことや、社内Webラジオで濃いエピソードが繰り広げられていること、SFのような未来へと想像を広げてみたこと。そのどれもが、「技術で超えろ。」というキーメッセージに関係する人が増え、浸透が始まっていることの表れなのではないでしょうか。
「NECソリューションイノベータ様にとって50周年は節目であり、スタートなのだと思います。カルチャーの“浸透”を、より“定着”させていくためのさらなるお手伝いができればと思います。」(小金澤)
──技術で超えろ。言葉は、組織のカルチャーへ。そのすぐそばで、ADEXは伴走し続けます。

《プロジェクト・スタッフ》
アカウントエグゼクティブ:小金澤 真那、山崎 信昭
クリエーティブディレクター:雪本 翔平
コピーライター:荒木 竜郎
ストラテジックプランナー:角掛 紀恵
ADEX日本経済広告社では、様々な展開・実績がございます。
お気軽にご相談・お問合せいただきたいと存じます。

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