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ADEXクリエーターズファイル Vol.1 クリエーティブディレクション局 菅野 友〈後編〉


ADEXクリエーターズファイルの後編です。前編に続けて、クリエーティブディレクション局 菅野 友さん(右)にお話をうかがっていきます。〈インタビュアー ADEX総研 天野 泰司(左)〉


天野:サイボウズのここまでの(2019年までの)広告展開をふりかえるとインターネット上だけでの展開が目立ちますが、マスメディアを使用した広告展開はとくに考えなかったのですか?


菅野:一部でTVCMや新聞広告も実施していましたが、基本的には製品特性とターゲットを考えると、インターネットやSNSが主戦場になるので、認知を獲得する目的のプロモーションだとしてもマスメディア前提で考えないで、すべてのメディアをフラットに捉えた結果、インターネットになったという認識です。


天野:なるほど。でも、サイボウズ創立20周年企画として、日本経済新聞に掲載した「働き方改革に関するお詫び」(2020年4月掲載)がありますが、これはクライアントからの要望ですか?


菅野:一連の創立20周年企画の中でまずWebムービーをWeb上で公開しました。その反響を確認し検証していくなかで、ちょうど政府も働き方改革をメッセージしていた時期でしたので、問題提起をするようなメッセージとしてマスメディアの新聞広告による展開を考えました。社会に向けて「お詫び」という“お手紙広告”として、まずは日本経済新聞の読者に気になってもらおうということで企画にしていきました。


天野:その辺りの視点もクライアントも共有していましたか?


菅野:そうですね。問題提起やメッセージを発信することに抵抗が少ないクライアントなので、当たり前として捉えていただけたと思います。認識のズレはまったくありませんでした。その後の『がんばるな、ニッポン。』や『多様性についてのお詫び』にスタイルとして繋がって行ったと思います。




天野:はっきりとしたシンプルなメッセージで、しかも、とんがったパーソナルな視点からの発信となっていますが、発信するクライアントやクリエーティブチームとして怖くなかったですか?


菅野:そうですね、メッセージは慎重に検討を重ねています。結果としてSNSへの好意的な投稿が中心に反響がたくさんあったので良かったと思っています。ただ、こうしてシリーズ的に広告を実施してみて、インサイトに沿った企画でないとやはり生活者には浸透しにくいということもわかりました。


天野:一連のキャンペーンを通じて、菅野さん自身のクリエーティブに対しての考え方や捉え方など変化したこととかありますか?


菅野:やはりインサイトのすくい方をいろいろな方向から考えるようになりました。それだけ深くなったと思います。制作チーム内でのアイデアや企画の検討では、いろいろな人の立場にたって目線をかえて考えるように心がけています。アイデアや企画が単に面白くても経営者視点やユーザー視点から考えると良くないこともありますし…。


天野:なるほど。では、これからの菅野さんの目指すクリエーティブについて。今後どんな仕事をしたいですか?


菅野:コーポレートブランドをあつかってみたいです。


天野:その理由は?


菅野:コーポレートブランドの企画提案では、たくさんの決済を通過する必要があり、今以上に大変だと思いますが、それだけたくさんのハードルを乗り越えたクリエーティブは、それだけたくさんの人に響く広告になるのではないかと思うのでチャレンジしたいと思っています。


天野:最後にADEXクリエーティブの強みについての自己分析を教えて下さい。


菅野:大手の広告会社と違って、ADEXの強みはクリエーティブとストラテジー、営業がシームレスで一体となっていることだと思います。他の広告会社にありがちなセクションごとの断絶がなく、有機的に連携し一体となってソリューションを提供できることだと思います。クライアント理解を必死に努力して、生活者の視点から発想し、その会社の社長だったらどう判断するのか?社員だったら?取引先だったら?…とひとつひとつの仕事にとことんのめり込んで仕事しています。(笑)


天野:ほんと、そうですね。こうして振りかえるとADEXのクリエーティブもずいぶんバージョンアップしています。


菅野:次のADEXを支える社員には、さらなるバージョンアップを期待しています。最近では若手社員をサポートすることもずいぶん意識するようになりました。


天野:本日はインタビューに時間を作っていただきありがとうございました。菅野さんは、以前に比べてずいぶんスマートになっていますが、糖質制限ダイエットでしょうか?これからの益々のご活躍を期待しています。


ADEXクリエーターズインタビュー 菅野 友〈前編〉はこちらから

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