私どもADEX日本経済広告社は、ビデオリサーチ社と共同し、テレビCMの効果の一指標として、テレビCM投下が実店舗の来店誘引にどのように効果を与えるのか、という検証を行いました。
本検証・本記事に関して、株式会社ビデオリサーチ社 ビジネスデザインユニット シニアフェローの吉田正寛氏にご協力をいただきました。
従来のテレビCMの役割は・・・
テレビCMはこれまで、広告による認知拡大や印象形成といったインパクト醸成を狙って活用されることが一般的でした。マーケティング戦略でよく用いられる購買ファネル(図表1)では、アッパーファネルと呼ばれる部分をテレビCM、ミッドファネルは新聞雑誌やコンテンツメディア、購買はデジタル広告、推奨はSNSというようなすみ分けが、なんとなく存在しているかと思います。
それだけじゃない!テレビCMの効果
吉田氏は、こうした各メディア・コンテンツの役割を、広告の態度変容観点から可視化する研究を継続。その中で、テレビCMに関してインパクト形成を中心としたアッパーファネルだけに役割を留めることに疑問を持っていました。
図表2は、ビデオリサーチの生活者データACR/exで取得する「広告の印象」の各メディア・コンテンツユーザーの結果をメディア間で比較したものです。これをみると、テレビCMはアッパーファネルだけでなく、購買といったゴール指標にも強い態度変容効果があることがわかります。
上記はビデオリサーチ社所有の生活者データから得られた一般知見ですが、実際の広告施策への反応ではどうなのか。
この部分に関して、今回、ビデオリサーチ社と弊社ADEX日本経済広告社の共同で効果検証分析を行いました。
ビデオリサーチ子会社のResolving LABが整備するRL視聴ログと、unerry社の人流データをかけわせることでテレビCMの来店誘引効果を行動ログで可視化するlog-BLSを用いて、ある流通業界の企業様のCM効果を可視化しました。
その結果(図表3)をみると、テレビCM非接触者に比べてテレビCM接触者の来店率は174%高くなることがわかりました。テレビCMは来店誘引という実行動を喚起する力があることがわかる結果です。
これからのテレビCMの活用
今回ご紹介したデータは、いずれもテレビCMの実行動喚起効果を示すものです。テレビCMは、従来考えられていたアッパーファネルの効果だけでなく、セールスプロモーション領域のような実効果を求められる場面でも活用が期待できるといえます。
テレビCMは広告予算が高額になりがちな印象を持たれる方も多いと思います。ですが、例えばエリア限定でコミュニケーションを行う場合、比較的小規模な予算でテレビCMを活用できます。また昨今では、放送局が提供するSmart AD Saleの仕組みを活用することで、少ない出稿量でもテレビCMを出稿することが可能です。
ぜひみなさまのコミュニケーションプランニングのご参考にしていただきたいと思います。
株式会社ビデオリサーチ
ビジネスデザインユニット シニアフェロー
吉田 正寛 氏
ADEX 株式会社日本経済広告社
IMC推進本部 IMCプランニング1局2部 部長
上野 洋司
ADEX 株式会社日本経済広告社
IMC推進本部 IMCプランニング1局2部 統合コミュニケーションプランナー
伊藤 大輔
ADEX 株式会社日本経済広告社
IMC推進本部 IMCプランニング1局2部
藤原 なつみ
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