
ADEX(株)日本経済広告社は、すかいらーくレストランツ様が運営するしゃぶ葉ブランドに向け、ひとり客の来店促進を目的とした「ソロしゃぶ葉」プロモーションを企画・実施しました。SNSでの体験レポ漫画の投稿やnoteでのエッセイコンテストなど、リアルな体験談をコンテンツの核に据えた本施策は、X(旧Twitter)上でバズを生み出すなど、SNS施策の成功事例となりました。企画を担当したADEX日本経済広告社 第6営業局の南野颯太とCPD第1局の高田倫太郎に、成功の秘訣として、SNSやインサイト分析を駆使したデータドリブンな施策と狙いを聞きました。
SNS施策が生まれた市場背景とターゲット分析
― 今回のSNS施策が生まれた背景を教えてください。
南野:
しゃぶ葉ブランドでは半年に一度、顧客調査を実施しています。その結果を基に、どのターゲット属性に向けてアプローチするかを検討しているのですが、今回はデータから浮かび上がった複数のターゲット層、大学・専門生グループ、未就~小学生ファミリー、社会人カップルや社会人グループ、おひとりさま、シニアファミリーそれぞれに向けた施策をフルセットで提案しました。その中からクライアントが「やりたい」とおっしゃったのが、おひとりさま向けの施策だったんです。
― おひとりさまに注目したのはなぜでしょう?
南野:
データを見ると、おひとりさまはそもそもの母数が大きい。家族がいてもひとりで外食に行く、という方も含まれるので、ターゲット人口が多かった。加えて、外食の頻度自体も高かったんです。SNS施策でここを狙えば効果が出やすいのでは、という判断でした。
一方で、大きな課題もあって。「ひとりで利用しづらいと感じる飲食店」のランキングで、鍋・しゃぶしゃぶが上位に来るというオープンデータもありますし、実際に調査の中でも「しゃぶ葉はひとりで行きづらい」という回答が出ていたんです。つまりマーケットはある、でもイメージが壁になっているという状況でした。
「利用しづらい」というイメージを変えるインサイト分析
― そのイメージの壁を、どうやって崩そうと考えたんですか?
高田:
まずSNSのソーシャルリスニングをしてみたんです。すると面白いことがわかって、「ひとりで行っても大丈夫ですか?」という投稿が結構あったんです。つまり、行きたい気持ちはある。ただ背中を押してくれる人が必要な状態、というインサイトが見えてきました。
一方で、SNSにはすでにひとりで楽しんでいる人たちも多くて、「ソロしゃぶ葉キメた」みたいなフレーズが自然と使われていた。そういう方たちにとっては「ひとりでファミレスに行くよりもちょっと特別なことをやったぞ」という体験として評価されていたんです。
だから、「ひとりで楽しんでいる人の存在をいろんなところで感じられるようにする」ことを施策の軸にしました。「きめたぜソロしゃぶ葉」というフレーズも、一般の人がもともと使っていた言葉に乗っかる形で採用したものです。
SNSでバズった施策の秘訣
― 具体的にはどのようなプロモーションを展開したのでしょうか。
高田:
大きく二つあって、X(旧Twitter)での漫画投稿と、noteでのエッセイコンテストです。
もともとしゃぶ葉ではひとり来店を紹介するウェブムービーも制作していたのですが、今回はより「一般の人のリアルな声」として届けたかった。作り込みすぎるとリアリティを感じにくくなるため、漫画やエッセイなどリアルな体験談として受け入れてもらいやすいフォーマットで届けることにしました。
漫画家の選定にもかなりこだわって、料理を美味しそうに描ける方、ひとりで何かを楽しむ場面を普段から描いている方、そしてターゲットであるビジネスパーソンの日常に近い作風の方を軸に、複数社からのリストを絞り込んでいきました。普段の投稿のトーンを大切にしてほしかったので、いつも通りに描いてもらえる方を意識して選んでいます。
― X上では大きなバズが生まれたそうですね。
高田:
3名の漫画家さんに順番に投稿してもらうリレー形式にしたんです。「次はこの方です」と引き継ぐことで、それぞれのファンが互いの投稿を見に来てくれる。この設計が効果的でした。

中でも、にわとりのキャラクターが主人公の「コケ山/漫画家」さんの作品がバズりまして。料理についてよくわかっていないけど、「まぁいいか」とのんびり楽しんでしまうというストーリーが人気の漫画家さんです。PR投稿でも普段のフォーマットを崩さず、一言目から「しゃぶば」と店名を間違えてしまう内容をおもしろがっていただけて、1万5000件を超える「いいね」と約4,000件のリポスト、コメントも200件以上つきました。PRの漫画投稿としてはかなりうまくいった事例だと思います。
― noteのコンテストはどのような内容で?
南野:
テーマは「心を満たすひとりご飯」で、しゃぶ葉の話じゃなくても参加できるようにしました。しゃぶ葉限定にすると投稿のハードルが上がりすぎてしまうので。しゃぶ葉に来店した体験を書いてくれた方には「♯きめたぜソロしゃぶ葉」という別のハッシュタグをつけてもらうかたちで、二つの賞を設けました。

投稿数は他のコンテストの中央値と比較してほぼ同水準でしたが、総PV数は163%、読了時間は135%と、読まれる質の高いコンテンツが集まった印象があります。SNSの漫画からnoteのコンテストへと誘導する流れも機能しました。目的はとにかく「ひとりでしゃぶ葉を楽しんでいる人がこれだけいる」という事実を届けること。そのためのコンテンツが積み上がり、多くの人に読んでいただけたという意味では、良い結果が出たと思っています。
― クライアントの反応はいかがでしたか?
南野:
全体的にかなりポジティブな反応をいただいています。noteについてはまさに結果が出たばかりなので、これから詳しく報告していく予定です。数字としての成果もそうですが、SNS上でソロしゃぶ葉というフレーズが以前より明らかに増えているので、「ひとりで行ってもいいんだ」という空気が少しずつ醸成されてきているのを感じています。
― 最後に、今後しゃぶ葉をどのようにサポートしていきたいですか?
高田:
今はまだ「ひとりで行ってもいいんだ」という空気が出始めた段階だと思っています。この流れをもう少し育てて、本当に気軽にひとりでも楽しめる場としてしゃぶ葉が定着していくようなSNS施策を提案したいですね。
南野:
ひとり向けにこだわるというよりは、どんなお客様にとっても行きやすい場所にしていきたいという思いがあります。平日の夜はビジネスパーソン、週末はファミリーやシニア、学生……老若男女が、それぞれの目的で気負わず選んでくれるような場所。誰が何人で来ても全然おかしくない、そういうスタンダードな存在になっていければ一番いいですよね。今回の施策はその第一歩だと捉えています。
― ありがとうございました。
ADEX株式会社日本経済広告社
第6営業局 南野 颯太 CPD第1局 高田 倫太郎
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