就活生は、より「慎重」に。|企業のリアル”を求める、令和の就職活動の実態とは ≪ 前編 ≫ 今年度の傾向および2024年との比較

2年間で生まれた変化とは

2024年度に実施した就活生を対象としたADEX独自調査。2年ぶりとなる本調査では見えてきたのは、より慎重になった就活生の姿です。就活生の企業選びで安定性や働きやすさが重視される一方で、大学2年次から就職活動を意識する人は大きく増加。早い時期から企業について調べ、安定性を求める動きが加速しています。

では、就活生は企業選びの基準そのものを大きく変えたのでしょうか。2024年調査との比較から、企業選びの変化や就活生の志向、さらには動画広告の受け止め方を見ていきます。

前編 目次

・企業選びの基本軸は大きく変わらず。安定性・給与・働きやすさが引き続き上位
・就職活動はさらに早期化、大学2年次から動く層が倍増。
・影響を受けた広告はWEB・SNSが上位。ただし前回より低下。
・動画は「短さ」だけでなく、内容への納得感も重視。
・動画広告による態度変容は「よくあった」が大幅増。
・軸は変わらずとも、就活生はより慎重に。


企業選びの基本軸は大きく変わらず。
安定性・給与・働きやすさが引き続き上位。

「企業の特徴で重視すること」の1位は「業績が安定している」で44.8%、「給与が高い」が44.1%で以下2つを引き離しています。次いで「社内の風通しがよい」が34.6%、「希望した業界である」が34.0%です。

全体の傾向は変わらないものの、「希望した業界である」は2024年度の40.6%から2026年の34.0%へ大きく低下しました。

希望する業界かどうかだけでなく、業績の安定性や給与など、入社後の生活に関わる条件も含めて企業を比較している様子がうかがえます。

また、働き方で最も重視されたのは前回と同じく「仕事もプライベートも大事にできる」で、2026年も41.7%と圧倒的な支持を集め、2位は「転勤がない(なさそう)」で29.8%となりました。

今も就活生にとって、私生活に大きく影響する転勤も含めてワークライフバランスは最も重要な要素の一つと言えます。

就活生が希望業界を重視しなくなったと断定することはできませんが、業界への憧れだけでなく「長く安心して働けるか」を現実的に考える姿勢が強まっている可能性があります。 企業にとっては、事業の魅力だけでなく、経営基盤や待遇、職場環境を具体的に伝えることも重要になりそうです。

就職活動はさらに早期化、大学2年次から動く層が倍増

「就職活動を意識しだした時期」を2024年調査と比較すると、大学2年次と回答した人は10.9%から22.6%へ増加しました。割合は前回の約2倍です。

さらには大学3年生の7~9月以降が減少し、大学大学3年生の4~6月以前が軒並み増加していることから、全体として早期化していると考えられます。インターンの参加など、より早い段階から企業を知る機会をつくり、事業や仕事について継続的に情報発信することは、採用活動が本格化する前の企業理解にもつながると考えられます。

影響を受けた広告はWEB・SNSが上位、ただし前回より低下

ここではまず就活に絡む広告に対する調査全体の結果を見ていきます。影響を受けた広告の接触場面は、2026年も「WEBサイトを検索/閲覧しているとき」が28.0%で最も高く、「SNSを見ているとき」が20.4%で続きました。デジタル上の広告は、引き続き就活生に影響を与える主要な接点になっています。

ただし、前回調査と比べると、WEBサイトは32.3%から28.0%へ、SNSは22.8%から20.4%へ低下しました。「動画サイト/アプリを見ているとき」も15.8%から14.5%となっています。デジタルが上位だからといって、その影響が一律に強まっているとまでは言えません。

「その中でも特に印象深かった広告」では、WEBサイトが26.6%から20.4%へ、SNSが15.1%から11.8%へ低下しました。一方、「電車/新幹線で移動しているとき」は7.8%から9.2%、「テレビを見ているとき」は8.6%から9.4%となっています。変化は比較的小さいものの、デジタル以外にも印象に残る接点があることが分かります。

WEBやSNSで企業を知る機会をつくり、採用サイトや説明会、社員との対話で理解を深めてもらうなど、複数の接点を組み合わせることが重要になります。

動画は「短さ」だけでなく、内容への納得感も重視。

就職活動の参考にする動画広告の長さについて、2026年調査では「内容にかかわらず普通のCM(1分程度)がいい」が27.8%で最も高く、短い動画を好む人は引き続き多く見られました。

一方、「理解や共感ができてもせいぜい10分程度までがいい」は、2024年の18.4%から2026年の24.1%へ増加しました。「理解・納得できる内容なら長くてもいい」も、8.0%から13.6%へ増えています。この2項目を合わせると、10分程度またはそれ以上の長さを許容する人は26.4%から37.7%になりました。

つまり、より深く企業を知るためであれば、従来は受け入れられなかった長尺の動画でもよいと考える層が確実に増えています。

動画広告による態度変容は「よくあった」が大幅増。

動画広告をきっかけとした態度変容の経験については、「よくあった(頻繁にあった)」と「たまにあった」を合わせた経験層が66.6%と、2024年(64.3%)に引き続き3人に2人にのぼる高い水準を維持しています。

特に注目すべきは、「よくあった(頻繁にあった)」と回答した人が2024年の13.2%から2026年には22.1%へと大きく伸長(約1.7倍)した点です。

動画広告は単なる認知獲得にとどまらず、就活生の企業に対する興味や理解、志望意欲を大きく動かす接点として、より強い影響力を持つようになっていることがうかがえます。

軸は変わらずとも、就活生はより慎重に。

2024年との比較から企業選びの基本的な軸に大きな変化は見られない一方で、ワークライフバランスや企業の安定性、給与の高さをより重視する変化が見られました。さらに就職活動を意識し始める時期は早まり、情報を集めるにあたっては長尺動画であっても許容するといった、慎重に企業を見定めている傾向がうかがえます。

次の中編では特定の傾向のある就活生たちを4つの「クラスター」に分類。自社が採用した就活生の特徴をつかみ、そのクラスターに属する就活生がどのような傾向があるかを分析していきます。

▶中編はこちら。

前回調査はこちら。

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■調査概要

・対象エリア :日本全国
・対象者条件 :就職活動経験のある4年制大学卒
   新卒入社1~3年目の会社員(正社員)
・有効回答数 :765
・調査手法 :インターネット調査
・調査期間 :2026年8月18日~8月31日


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